アンフォラのつぼ

花鳥風月の写真とクラシック音楽(特に小澤征爾)を追いかけています。

サモス島のピタゴリオとヘライオン【ギリシャ】

イメージ 1文化遺産】サモス島のピタゴリオとヘライオン
登録名:Pythagoreion and Heraion of Samos
登録年:1992年
 
 
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【概要】
サモス島は、エーゲ海東部にある島で、1㎞の海峡の先はもうトルコという最東端に位置している。ピタゴリオ(上写真)は、サモス島南部にある町で、かつての都市国家サモスの中心となる都市であり、偉大な数学者ピタゴラスの生誕地でもある。そのため、町の名前が20世紀中盤に改称された。
ヘライオンは、サモス島出身とされるギリシャ最高神ゼウスの妻ヘラを祀る神殿の遺跡群で、ピタゴリオの西6kmほどの海沿いに位置している。紀元前750年ごろから建設され、最盛期にはアテネパルテノン神殿の4倍の大きさを誇る、列柱式の壮麗な神殿が建ち、ギリシャ世界各地からの巡礼が絶えなかったとされる。
 
 
 
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古代の神殿へと続く参道
 
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参道の脇に残された石像。きちんと立っていたのはこの2体のみ。
 
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いくつかの時代の遺跡や、聖堂の跡などが残っていますが、なかなか往時を想像するのは簡単ではありません。
 
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柱頭部分のレリーフ。奥には聖堂の遺構が見えている。
 
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神殿跡に残された円柱。かなりの太さなのだが、1本だけなのでそれほど威圧感は感じない。周辺に規則正しく並ぶ円柱の跡を見ると、壮大な神殿がしのばれる。
 
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エウバリノスのトンネルと呼ばれる地下の用水路への地下道。
 
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エウバリノスのトンネルは、ピタゴリオの町の高台にある。紀元前6世紀に作られたもので、古代ギリシャの歴史家ヘロドトスの『歴史』にも記述されている。
 
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ピタゴリオの高台に残る円形劇場。現在でも使っているのか、古代の礎石の上に木で新しい舞台が作られている。
 
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ピタゴリオの町。周辺からは古代ギリシャ時代の数多くの遺跡が見つかっている。
 
 
旅行記
2009年7月8日
パトモス島からフェリーで美しい小島を経て到着。所要約3時間くらいだったように記憶している。最も美しいエーゲ海の水の色を見ることができた航路だった。ピタゴリオの町では、まず坂の途中にある荷物を観光案内所に預け、地図をもらう。手書きではあるが、観光に必要な情報が入った地図と、観光地の開館時間などの資料がもらえた。
タクシーでヘライオンに向かう。真夏のきつい日差しの中の遺跡はつらい。日影を選びながら広大な遺跡を歩いていると、兵どもが夢の跡といった感慨になる。一角にある小さな博物館はクーラーが利いており、航空写真などの資料がとてもわかりやすく展示されていた。
タクシーをチケット売り場で呼んでもらい、次にエフバリノスのトンネルへ。ここは歩いて行くには少し遠い丘の上にある。狭い入り口をびくびくしながら入ると、中は意外に広い。ただし、それほど先へは行くことができないので、すぐに引き返すことになる。丘の上の修道院や、周辺の遺跡を眺めながら舗装された道路を町へと下る。途中羊の群れに遭遇したりと、なかなかのどかなルートだ。町へ下って観光案内所から荷物を受け取り、早めの夕食をとったのち、空港からアテネへと向かう。賞味半日しか滞在しない駆け足だったが、のどかでゆっくりsた空気の流れるこの島が、古代ギリシャ時代に大きく繁栄していたとはなかなか想像が付かなかった。