アンフォラのつぼ

花鳥風月の写真とクラシック音楽(特に小澤征爾)を追いかけています。

海印寺の大蔵経板殿【大韓民国】

登録名:Haeinsa Temple Janggyeong Panjeon, the Depositories for the Tripitaka Koreana Woodblocks
登録年:1995年 
 
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【概要】
世界遺産に登録された蔵経板殿のある海印寺(ヘインサ)は、大邱市の西南44kmにあり、統一新羅時代の802年に創建された古刹で、法宝の寺とされる。それは、13世紀にモンゴルに侵攻された高麗王朝が、その国難を克服するため彫造された、大蔵経板(高麗大蔵経)をおさめているためである。この8万枚にも及ぶ大蔵経板は、現存する最も古い大蔵経であり、完璧な内容があるだけでなく、芸術的にも価値の高いものとされている。
15世紀に建てられた蔵経板殿は、科学的に内部の喚起や湿度の調整ができるよう造られた優れたもの。
 
 
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標高1430mの伽倻山(カヤサン)の中腹に位置する海印寺。伽藍は階段状に山の斜面に沿って作られている。
 
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海印寺九光楼。境内に入りまず正面に立つ建物。
 
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本堂である大寂光殿。本尊の毘盧遮那仏が安置されている。境内には、創建当時の三重石塔が立つ。
 
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大寂光殿の背後、一段上がったところに、世界遺産蔵経板殿がある。横に長い建物が2列に並んでいる。
 
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蔵経板殿への石段は24段。「八萬大蔵経」の額が掲げられている。八萬大蔵経とは、高麗大蔵経の別名。
 
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1488年に建てられた蔵経板殿のうち、奥(北)にある法宝殿。並行して左側(南)には、修多羅蔵(一番上の写真)が立つ。どちらの建物も、大蔵経板を保管しており、長さ60.44m、奥行8.73m。床は土間となっていて、木炭や石炭、塩などを重ねた盛り土が湿度を調整している。また、側面の窓の造りにより、通風を調節している。
 
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法宝殿の中央に開かれた扉。ここから内部に入り、大蔵経板が保管されている様子を見ることができる。
 
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大蔵経板殿内部。5段の棚が作られており、各棚にそれぞれ2段ずつ大蔵経板がおさめられている。1枚の大きさは、69.5×23.9㎝、厚さは3.6cm。総枚数は8万1258枚。
国の事業として、専門の役所を作ってまでして造られた大蔵経板は、1251年に完成した。初めは江華島に置かれていたが、1398年に海印寺に運ばれた、ここから撮られた高麗大蔵経は、日本へも運ばれたそうだ。
 
 
 
旅行記
2005年10月17日
JTBの旅物語のツアーにて訪問。宿泊していた儒城温泉から朝一番で海印寺へ。見学後、慶州へ向かった。