古代都市ダマスカス【シリア】
【概要】
シリアの首都ダマスカスは、世界最古の都市のひとつとされる。アジア、ヨーロッパ、アラビアの要に位置し、交通の要所であったことから、紀元前3000年ごろにはすでに都市が掲載されており、旧約聖書にも登場する。城壁に囲まれた旧市街には、世界最古の現存するモスクであるウマイヤドモスクや、隊商都市であった頃の名残をとどめる巨大なスークなどが、今もなお生活の一部として存在している。
旧市街の城壁と、ハーミディーエスークの入り口。城壁の左手はシタデル(城塞)がある。
スーク・ハーミディーエは、広い通りを屋根が覆っている。この周辺一帯がすべてスークになっており、日用品から金細工、食糧品まで、あらゆるものが売られていて、かつてのシルクロードのイメージをほうふつとさせる。
マーリスターン(医学博物館)。中性で最も有名な病院であったところで、1154年に竣工されたもの。現在はスークの一角に博物館として残されている。
古代ローマ時代の柱が残されている。ここはスークの出口にあたり、ウマイヤドモスクの前の広場。
ウマイヤドモスクに隣接して立つサラーフアッディーン(ワラディン)の霊廟。
バシリカ式のウマイヤドモスクの内部。中央の建造物は、キリストに洗礼を施した預言者ヨハネの霊廟。モスクが作られる前はこの場所はヨハネに捧げられた聖堂だったとされ、イスラム教徒にとっても重要な預言者の一人として、モスクになった後も祀られているそうだ。
モスクの側面や回廊の上部には、ビザンティン様式のモザイク画が描かれている。その多くは、ナツメヤシやブドウなどの植物や、水の流れが描かれており、ダマスカスの豊かさが表されている。偶像崇拝を禁ずるイスラム教のモスクとしては珍しい装飾。
1749年に総督によって建てられたアゼム宮殿。暑い地域ならではの造りで、風が通りやすいような間取りや水を配した庭などがある。宮殿内部の装飾も美しい。
旧市街の道。
聖アナニア教会。キリストの十二使徒のひとりであるパウロに洗礼を施したアナニアはの家とされたところの地下にある。このエリアはキリスト教徒が住むエリアで、各宗派の教会が点在し、街角にはマリア像などが祀られている。
【旅行記】
2010年5月30日・6月4~5日
35度を優に超す猛暑の中、旧市街を徒歩で回るのは、なかなかの重労働だった、スークの中に入ると、アーケードがあったり、庇があったりして、比較的涼しい。数千年にわたる交易の歴史と、この気候から生まれた知恵なのだろうと実感。
2010年5月30日・6月4~5日
35度を優に超す猛暑の中、旧市街を徒歩で回るのは、なかなかの重労働だった、スークの中に入ると、アーケードがあったり、庇があったりして、比較的涼しい。数千年にわたる交易の歴史と、この気候から生まれた知恵なのだろうと実感。
東西1.5kmを長径とする楕円形の旧市街は、歩くのにはほど良い。スークを適当に歩き回り、すれ違うのも難しいほどの路地を入ったりすると、また新しい道に出る。その感覚が新鮮で、なかなか楽しい。
ウマイヤドモスクは、外国人(異教徒)は北側の専用の入り口から入る。女性は専用のかぶり物の着用が義務付けられる。はだしで入るのだが、太陽に照らされた大理石は意外に熱い。
キリスト教地区に入ると、道がより複雑になり、聖アナニア教会などを見つけるのは苦労した。磁石があるとわかりやすいのかもしれない。街のあちこちにフレッシュジュースのスタンドがあり、それを飲みながら歩くのも楽しい。特にオレンジは絶品。ちなみに、スークではアイスクリームの店がかなりの人気で大行列。食べなかったのが心残り。
金曜はスークのほとんどの店が休みになるので、一気に閑散とする。お土産を買う予定だったので、焦った。その代りモスクには多くの人が訪れるため、その周辺だけ人が多くなる。
旧市街全体を見て回るのには1.5日くらいかけるのが良いようだ。ただし、西側のモスクとスーク周辺だけでも十分堪能できる。それには半日もあれば楽しめる。