アンフォラのつぼ

花鳥風月の写真とクラシック音楽(特に小澤征爾)を追いかけています。

アツモリソウ【ラン科】

アツモリソウ(敦盛草)

科名:ラン科アツモリソウ属
学名:Cypripedium macranthos var. speciosum
草丈:20~40㎝
 
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2006年6月
 
山地の草原に生える野生ランで、3~4cmほどの大きな袋状の花を付ける。その花を平敦盛の母衣に見立ててなづけられたそうだ。環境の変化だけではなく、かなりの盗掘があり、現在自生のものをみることが非常に困難になってしまった種のひとつ。種の保存法により、厳重に保護される対象となっている。北方系の植物なので、シベリアやユーラシア大陸の高地にも近縁種が生えている。
 
 
イメージ 2
2006年6月
 
あまりにも貴重な花なので、場所は記載しないが、数年ほどかつて生えていたという場所を見て回り、それでも見つからなかったところへ、植物写真家のお二方と一緒に、自生地を訪れるという機会に恵まれた。正直、ちょっとやそっとの予測や探し方では見つけることのできない場所だった。そんな草原でひっそりとひっそりと花を咲かせていることに、感動し、感激し、夢中になってしまった。小一時間ほどもこの花の前で写真を撮ったり眺めたりしていた。梅雨の小雨の中・・・。
もう数年経ってしまったが、今もまだ咲いているだろうか。
 
 
イメージ 3
2006年6月
 
同じ草原で見かけた白っぽい株。礼文島に咲くレブンアツモリソウは、クリーム色ということだが、これはむしろ純白に近い色合いだった。このやさしい雰囲気の花色もなかなか良かった。
 
 
 
イメージ 4
2003年7月 中華人民共和国四川省 Cypripedium tibelicum
 
こちらは、どうしても日本ではアツモリソウが見られないと、四川省の岷山山脈の奥地にある世界自然遺産に登録されている黄龍にでかけ、出会うことができたアツモリソウの仲間。チベットアツモリソウと呼ばれているものだと思う。別名はカブトランとも呼ばれているらしい。草原と言うより、林縁に生えていた。
標高は3300m前後のところだったと記憶している。日本のアツモリソウに比べると、やや色が濃いと思われるが、これが紫外線の影響だという説もあるそうだ。
このエリアのアツモリソウも、日本の愛好家に向けて輸出するため、乱獲がすすんでいるという話もあり、とても残念だ。別な見方をすれば、この花を見たいがためにこれだけ散財していることを思えば、中国の経済に小さいながらも寄与している偉大な花なのかもしれないが・・・。
 
なんにせよ、あるべきところに咲いている姿が一番美しい。アツモリソウのことを考えるt、いつもそう思う。
 
 
 
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