アンフォラのつぼ

花鳥風月の写真とクラシック音楽(特に小澤征爾)を追いかけています。

【シリア旅行記】第1日~2日 ダマスカスへ

今日から忘れないうちにシリア旅行記をまとめたいと思います。
何か旅行の際のお役にたてればいいんですが。
 
2010年5月29日(土)~30日(日)
2210発のエティハド航空アブダビ経由ダマスカスへと向かいます。
エディハト航空は、この4月から成田に就航したばかりのキャリアで、
アラブ首長国連邦の国営航空だそうです。
夜発で、午前中に目的地に着くことができるということで、選びました。
新しい航空会社で、アラブの豊かな財政によって、新規の機材を購入しているとのことで、
設備やサービスも楽しみです。
ちなみに、就航記念もあって、往復航空券は75000円でした。
 
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本日の最終便なので、成田空港もガラガラ。
困ったことに、レストランや薬局なども軒並み閉店。
これは大誤算でした。
風邪気味だったので、薬を持って行きたかったのですが。
 
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黒いポーチには、靴下、歯ブラシ、耳栓、アイマスクが入っていました。
手前の袋は毛布です。
まだまだ知名度が低いのか、便利な飛行機なのに、ずいぶんと空きがありました。
おかげでゆっくりできましたけど。
 
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ちなみに、これはビジネスクラスです。
2人掛けと、一人ずつとがあり、半個室のようになっていて、ずいぶんとくつろげそうです。
食事もアラカルトで用意されているとか。
 
ちなみに、エコノミーの食事は、和定食と2種類からのアラカルトのどちらかが選べ、
デザートは別にお茶やコーヒーとともに出されました。
朝食も朝がゆなどで、なかなかおいしかったです。
 
モニターの方は、70もの映画や、ゲーム、地図表示など多彩で、
本当に飽きませんでした。
映画は日本語は少なかったのですが、それで彌足りないくらいでした。
サウンドオブミュージック
・さゆり
・アリスインワンダーランド
などを往復で観賞しました。
面白かったのは、飛行機の向きに応じたメッカの方向の情報が出ていること。
機内でのムスリムの方のお祈り用ですね。
 
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アブダビで3時間の乗り継ぎ町の後、ダマスカス域に搭乗。
こちらもずいぶん空いていました。
写真は、かつて紛争の海だったペルシャ湾です。
アブダビからペルシャ湾上空、さらにサウジアラビアのる部ある貼り砂漠を経て、
イラク領をかすめるようにシリアへと向かいます。
 
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ダマスカス空港へ到着。約3時間のフライトで、現地時刻1040に到着です。
入国審査は一人一人に意外と時間がかかるが、特に質問されるわけではなく通過。
ちなみに、ビザは事前に日本で取得しておく必要があります。
ビザ申請についてはこちら
首都の国際空港にしては、ずいぶん小さな空港でした。
両替窓口も1つしかなく、そこではUSドルしか扱っていません。
成田でドルに換金しておいたお金をシリアポンドに両替しました。
 
出口を出て右側(撮影しているところ)に市内中心部へ行くバスが停まっています。
30分に1本程度走っているようで、左端に写っているのがチケット売り場です。
市内のガラージュ・バラムケまで45SP、預け荷物は25SP、都合70SP(150円)です。
   ちなみにガラージュとはバスターミナル、SPはシリアポンドです。
30分ほどで市内中心部に近いガラージュ・バラムケに到着。
ここからは徒歩でホテルまで向かいました。
道路状況は無秩序なので、歩くのも危険です。地元の人を参考に歩きました。
タクシーでもいいと思いますが、空港から来たばかりではぼられるので、
声をかけてきたものでない流しのタクシーを捕まえた方がいいと思います。
メーターなら大体のホテルまで20SP(40円)程度だと思います。
 
ホテルは日本で予約しておいたので、さっそくチェックインし荷物をおいたら、
すぐに散策に出ました。
 
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まずは世界遺産の旧市街へ。
左葉城塞、右の暗いところはスーク・ハミディーエの入り口です。
この道路は交通量も多いため、地下道で渡ることができます。
それでも渡っている人はいますね。
 
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大きな通りが2本と、その間を細い路地が走っていて、全体が大きなスークとなっています。
このスーク・ハミディーエは、もっとも大きな通りで、そのままウマイヤドモスクへと通じています。
左右には副葬品を売る店が多く並んでいます。
アイスクリームが大人気で、食べながら歩いている人もずいぶん多かった印象です。
 
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スークの出口はローマ時代の門がそのまま残っています。
歴史が重層的にできていることを思わせてくれます。
そういえば、ダマスカスは世界最古の町のひとつだそうで、
6000年以上の歴史があるそうです。
 
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西欧の十字軍を恐れさせたイスラムの英雄サラディンのお墓です。
ウマイヤドモスクの北側にあります。
 
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715年に作られた、現存する世界最古のモスク、ウマイヤドモスクです。
イスラム教徒にとって、メッカ、メディナエルサレムに次いで4番目の聖地とされているそうです。
旧市街の中に広大な敷地を持ち、イスラム教徒は各門から自由に入ることができますが、
異教徒は入場料を払い、女性は髪や肌を隠す衣装を借りて入ることとなります。
靴も入り口で脱がなくてはならず、中では靴下やはだしで入ります。
まさに生きている世界遺産です。
 
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モスクの中では、静かに祈る人々の姿もありました。
写真中央にある建造物は、洗礼者ヨハネの墓。
洗礼者ヨハネと言えば、イエスヨルダン川で洗礼を授け、
サロメ」に描かれているように、サロメのわがままで首を切られて死んでしまった
偉大な宗教者です。
本来、ウマイヤドモスクがあった場所は、紀元前10世紀ごろのアラム人の聖域であり、
その後ろーまじだいのユピテル神殿、キリスト教会を経てモスクとなったそうで、
その中でヨハネ首塚が発見され、祀られるようになったようです。
このように、イスラムの中でも洗礼者ヨハネが尊ばれているのですね。
 
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正面や東側の壁面には、イスラム建築には珍しい美しいビザンティン風のモザイクが描かれています。
イスラム教徒にとっての天国を表したものだそうで、それは当時のダマスカスがモデルなのだそうです。
これはやや目線が遠いのですが、とても美しいものです。
手前の宝物庫にもナツメヤシなどが描かれています。
 
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旧市街の散策を続けます。
こちらはオスマン朝時代の貴族の館、アラム宮殿です。
水や日影の使い方がうまくて、中の家具も贅沢なものです。
 
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ウマイヤドモスクの東側へ出ると、一気に喧騒は引いてしまいます。
ぶどう棚からの木漏れ日がきれいでした。
生活のにおいが強くなり、さらに進むと今度はキリスト教地区へと入ります。
 
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キリスト教地区では、曲がり角などにこのような聖母子像やどが置かれています。
歴史だけでなく、宗教も共存しているのですね。
 
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キリスト教地区にある聖アナニア教会です。
聖アナニアは、、キリストの弟子のひとりパウロ(当時はサウロ)に洗礼を行った人物で、
このダマスカスで、サウロがキリスト教徒の迫害に訪れたときに目を病み、
それを直したことで改宗させたとされています。
そのパウロは、キリスト教世界宗教への足がかりとなった布教に大きく貢献しているのだそうですから、
重要人物ということですね。
 
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まっすぐな道と呼ばれる古代からの道に発達したスーク。
この道がサウロが目を病んだところだそうです。
スパイスバザールとなっていて、独特のにおいがあります。
細かい路地へも足を運び、
世界ふれあい街歩きごっこのように動画を撮ったりしながら、
ダマスカスの街を楽しみました。
 
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夜は、最初のアラブ料理ということで、旧市街からも近い、マルジェ広場にある食堂へ。
正直、暑さと歩いた距離でかなりぐったりしていたので、あんまり食べれなかったです・・・。
やや脱水気味でもありました。
味は、う~ん、それほどでもなかった気が。
ちなみに、ダマスカスでのヒットは、フレッシュジュース(その場で絞ってくれるフルーツジュース)でした。
というか、各地で飲みましたけど。
 
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日本のサイトから予約したキャンドルズホテルです。
旧市街から徒歩10分くらいのところで、国立博物館に近い所にあります。
清潔で、ベッドの寝心地は良かったのですが、
シャワーの使い勝手が悪かった・・・。
ちなみに日本円で7800円ほどで、ちょっと高い感じがします。
でも、1泊目で時間を無駄にしたくなかったので、
その目的からすれば合格です。
 
いきなり歩いてぐったりした第1日目はこれにて終了です。