アンフォラのつぼ

花鳥風月の写真とクラシック音楽(特に小澤征爾)を追いかけています。

奇跡のニューヨークライブ

本日1月26日、昨年12月にカーネギーホールで行われた、小澤征爾指揮サイトウキネンオーケストラのライブ録音が、CDとなって発売されました!!!
 
会社を出るのが遅くなり、池袋にたどり着いた時には店が目の前で閉店・・・。
新宿まで行ってようやく購入し、今ほど聞き終えました。
 
すごい気迫が音だけでも感じられるほどで、あの会場の尋常ではない熱気が伝わってきます。
観客席の息遣い(悪く言えば騒音)も、ある程度聞こえてしまって言えるのも、それはそれでスパイスになっているように感じました。
演奏はライブですから、サイトウキネンが初期に録音したものと比べれば、もしかしたら荒削りのような印象もあるかもしれません。少しテンポ運びや音のバランスが、前の録音とは変わっています。しかし、ライブならではのうねるような音に魅了されました。そして、何と言っても圧倒的というか、ものすごいパワーを感じます。
病気からの復帰というこの舞台にかけた小澤さんの熱気だけでなく、それにこたえる演奏家の力みたいなものなのでしょうか。
小澤さんが、人生を変えるような演奏だったというような主旨のことを発言されていますが、まさにその通りだったのではないかと思います。
 
小澤さんは、昨年1月に、食道がんの治療に専念することを公表し、手術、そしてがんの完治と経て、サイトウキネンフェスティバルでの復帰が待たれていましたが、2009年にも何度か痛めていた腰痛が悪化。
その結果10分弱の公演にとどまっており、自身が芸術監督を務めるカーネギーホールでの「Japan NYC」のオープニングを飾る、サイトウキネンオーケストラ公演を本格復帰と位置付け、準備を進めていました。
そして、初めてクラシックのコンサートで大号泣(勝手に私がしただけですが)させられた、あの名演が実現したのです。
 
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以前にも書きましたが、私は小澤さんのファン、というか要は熱烈なおっかけなので、ウィーン国立歌劇場音楽監督をされているうちにウィーンに行きたいと思い、2010年1月のフィガロの結婚を予約し、旅行を決行。
しかし、癌の発見により、小澤さんがキャンセルということに(ウィーン自体は楽しかったですが)。
その満たされぬ思いと、復活を祈る心情を胸に、9月にサイトウキネンでの短時間の復活を見届けたのですが、ここまできたら矢でも鉄砲でももってきやがれとばかりに、完全復活のNY行きを決意。チケットをゲットし、強行スケジュールの初NY小澤応援ツアー(一人で勝手に)を敢行したのでした。
極寒のNYの詳細は
小澤征爾本格復帰第1夜に書いています。
 
本番は、こちらも熱く熱くなって演奏会に臨んでいましたので、ある程度の時間を経て冷静になりつつ感動を追体験できる今回のCDは、個人的には珠玉の逸品です。会場に張りつめた期待感、緊張感、不安感、充実感、そして熱気がよみがえりましたし、贔屓目だとは思っていますが、稀代の名演と言える演奏ではないかと思います。
 
銀座の山野楽器ではクラシック部門で予約数第1位を記録したとかしたみたいですね。
今日の朝にも50人ほど並んだとか。
アマゾンも今夜には品切れになってました。
こんな情報は家に帰ってきてから知ったのですが、手に入って本当に良かった!!
(私が行った新宿のCDショップではまだ結構ありましたけど)
 
これから冷静に冷静にもう一回じっくり聞いて見ようと思います。
 
 
指揮 小澤征爾
サイトウキネンオーケストラ
2010年12月14日 ニューヨーク・カーネギーホールにて収録