アンフォラのつぼ

花鳥風月の写真とクラシック音楽(特に小澤征爾)を追いかけています。

リシリヒナゲシ【ケシ科】

リシリヒナゲシ(利尻雛芥子)

科名:ケシ科ケシ属
学名:Papaver fauriei
草丈:10~20㎝
 
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2011年7月10日 北海道利尻島 利尻山
 
日本に産する唯一のケシ科ケシ属の花で、利尻山の山頂部の砂礫地に生える特産種。山頂部の崩壊が進んでいることから、登山道から見られる株は著しく少なくなっているそうだ。
写真は利尻山山頂直下のガレ場で撮影したもので、かなり距離があったため、200mmレンズで狙い、さらにトリミングしたもの。利尻山登山の目的は、まさにこの花だったが、実際に自生地で撮影できたのは、この1株だけだった。よく見ると蕾がいくつも見えるので、もう少し遅い方が良かったのかもしれない。これよりもずっと遠くに、いくつか咲いているのが見えたが、残念ながら近づく術もない。
 
 
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2011年7月9日 北海道利尻富士町 チシマヒナゲシ由来の種
 
利尻島の海岸付近に砂利を敷き詰めた昆布干し場には、ヒナゲシの花が咲いている。見た目は全く利尻雛罌粟と変わらない。ただ、遺伝子的には、チシマヒナゲシという千島列島に自生する種に近く、リシリヒナゲシではないことが近年判明した。この一部が山頂部にも植えられていることが分かっており、現在対策が進められているそうだ。
 
 
イメージ 3
2011年7月9日 北海道利尻富士町 チシマヒナゲシ由来の種
 
下界で見られるので、観察だけをするのであれば、これでも十分楽しめる。山では疲労と近くにないということから、ここまでよく見ることはできない。薄い黄色の花色が、他の高山植物の黄色とは違い、やさしそうで、とても好ましい。
ちなみに、自生の写真として掲載した最上部の写真はリシリヒナゲシだが、これ以外に蕾の株を2株見つけた。これらは、コース至近に咲いているのだが、チシマヒナゲシ由来の種が植えられたものだそうだ。こうなると、本当に登山道から見えるリシリヒナゲシはごくわずかということになりそうだ。
 
 
 
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