アンフォラのつぼ

花鳥風月の写真とクラシック音楽(特に小澤征爾)を追いかけています。

諏訪大社下社の御柱祭・山出し

2010年4月11日(日)
 
7年に一度の奇祭御柱祭。最大の見せ場である下社の山出し(木落とし)に行ってきました。
1日3本の木落としで、しかも一瞬の出来事ということで、いろいろな場所を試してみました。じっくり見てみると、一瞬の木落としだけでなく、一連の流れがとても面白く、伝統の祭りの息遣いをよく感じることができました。
 
前夜に茅野で気分を盛り上げて、翌朝8時ごろに下諏訪駅へ到着。まだそれほど観光客が集まっては来ていません。
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氏子の皆さんも、祭りに参加するため、私たちと同じ駅から4kmの道を歩きます。
 
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木落とし坂に到着。すでにい本目の御柱を引く綱が到着していました。圧倒的な坂の傾斜に驚きました。
 
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坂の上に何とかよじ登ると、御柱がどんどん近付いてきていました。
 
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1本目の木落としは、坂の上から見ることにしました。氏子の皆さんが旗と木遣りと掛け声とともに綱を引く。
 
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木遣りの高らかな声が谷に響き渡る。スピーカーもない昔から、御柱を引く引き手の動きを合わせるために歌われてきたのですね。はじめて目にして耳にして、いろいろなことが分かりました。
 
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綱を引く方たちが谷を埋める群衆を見下ろしながら掛け声をかける。
 
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1本目の御柱の先端が木落とし坂にせり出した。花乗りと呼ばれる先頭にまたがって坂を下る役割の方が白い鉢巻の方。
 
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1本目の御柱は、残念ながら見ていた角度からは落ちていく姿を見ることができなかった。左右で綱を持っていた人々が一斉に崩れていったことと、谷にあふれたどよめきで落ちていくのが分かった。写真は、御柱の落ちた直後、木落とし坂の頂上から、御柱の跡と下に落ちた御柱を見下ろしたところ。
 
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2本目の御柱は下から。木の隙間から落ちていく御柱を眺めた。
 
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3本目は木落とし坂の中腹から。引いてきた綱が左右に分かれ、木の道筋ができると、セレモニーが始まる。大きな御幣や垂れ幕などが、勇ましい軍隊の進軍ラッパなどとともに降りてくる。その途中で転んでしまう人も多く、歓声を浴びる。
 
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3本目の御柱は、秋宮一の御柱。今回最後の木落としで、幹回り3m以上という今回最大の御柱が落とされた。落ちるまでに綱の引き方がうまくいかず、多くの人がひっくり返ったり折り重なったりと、なかなか危ない場面もありました。1時間以上予定より遅れて最後の御柱が落とされました。
 
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この御柱はずいぶんと「荒ぶる神」だったようで、多くの人が振り落とされました。
 
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注連掛に置かれた下社の御柱。木落とし坂から運ばれたこれらの柱は、5月の里挽きを待つ。
 
一連の御柱の引き方や落とし方を見ていると、実に合理的で豪快な古の人の知恵を感じました。決してどれもパフォーマンスではなく、神となる御柱を大事に、人にとっても安全に落とすための作業の一つ一つであることが、本当によくわかりました。次回は有料観覧席で見たいなあ。