【瀋陽旅行記】第1日 瀋陽駅周辺を歩く
2010年11月21日(日)
初めはキャンセル待ちだったのですが、すんなりと取ることができました。結果、往復航空券が無料で、それ以外のこまごましたもので、総額9000円ほどでした。
瀋陽が行き先となったのには、いくつか理由があります。
歴史的に見れば、清王朝が建国したところであり、20世紀初頭には、張作霖をはじめとする馬賊が割拠し、日本が満鉄とともに影響力を強く及ぼしていた町です。ここら辺の話は、浅田次郎さんの『中原の虹』に取り上げられています。まさにこの本の中心となる場所なのです。
前置きが長くなりました。
旅行記に移ります。
朝、今年開通したばかりの京成の新路線、成田スカイアクセスに乗ってみたかったので、それにあわせて出発。
確かに早いです。
これまでよりずっと早さが目立ちます。
成田にすら停車せず、一気に空港ですから、特にそう感じるのかもしれません。欲を言えば、海外旅行の前の日はどうしても遅くまで起きていることが多いので、スカイライナーで眠るのがとても気持ちよかったのですが、その時間が短くなったのは残念です。
新潟上空に向かう機内から、飯豊山地がくっきりと見えました。
瀋陽への着陸は、予定より30分ほど早かったのですが、分厚い雲のため夜かと思うほど真っ暗な中の着陸でした。着陸寸前にかなり左右に揺さぶられひやりとしましたが、無事着陸。
その後一気に空が明るくなりました。雨はやみませんでしたが、最悪のタイミングだったようです。
一時の真っ暗な状況は、翌日の現地の新聞でも報道されていました。
少し荷物に待たされ、お昼時とあって両替にも待たされ、ようやく空港の外へ。ちなみに、両替は中国国内のほうが、断然率がいいようです。
空港からのバスは、国際線出口から左手の国内線出口の前から発車します。馬路湾というところまで行き、片道15元です。所要は40分ほど。
困ったことに、そこから迷いました。太陽でもあれば方角が分かるのでしょうが、東西南北の道と、斜めに入る道が錯綜する瀋陽の中心部は、なかなかつかめません。ようやくつかまえたタクシーでまずは遼寧賓館に向かいました。
満鉄附属地の時代には、後ろのビルもなく、高級ホテルとして多くの著名人が宿泊したそうです。
今は、設備もやや古く、日本人ツアーなどでは利用されていないそうです。
遼寧賓館のロビーにはかつての優雅さが残っています。
レストランとなっている大ホールにも、美しい意匠が残されています。
小澤征爾さんもここを訪れていたようで、写真が展示されていました。
ちなみに、これが泊まった部屋です。
暗いのが難点ですが、雰囲気はあります。水周りもそれなりでした。あまり快適というわけではありませんが、歴史に思いをはせるには抜群のシチュエーションです。
ネット予約で1泊4300円でした。
ホテルからどこかの観光地へ行こうと思いましたが、天気も悪く、時間も遅くなってしまったので、付近の旧満鉄附属地の散歩ということにしました。
この円形の広場を囲むように、いくつかの古い建物が残されています。
ここから瀋陽駅を中心とした満鉄附属地を進みます。
イメージとしては、相合傘をイメージすると分かりやすいかもしれません。頂点に駅があります。右の線が中山通(かつての浪速通)、左の線が民主路(かつての平安通)です。そして中央の傘の柄の部分にあたるのが、瀋陽大街(かつての千代田通)です。右の線の端が中山広場で、そこに遼寧賓館があります。
中山路を駅に向かって進むと、右手に赤レンガの建物が見えます。これはかつて内田洋行という会社だった建物だそうです。
瀋陽駅は、かつての美しい姿をそのままに残していました。残念ながら、切符を持っていないため、中に入ることはできませんでした。日本の明治時代の近代化遺産とやはり雰囲気がよく似ています。
駅前のビルたちも昔からのものでしょうか。レトロな雰囲気の建物の奥に、大きなビルがいくつも見える不思議な光景です。
どなたかのホームページで見ていた、満鉄時代のマンホールというのを探すのに、ずいぶんうろうろしてしまいました。 満鉄のMにレールを組み合わせたマークだそうです。今でも使われているんですね。
今度は民主路を歩きます。この通りの一角で、小澤征爾さんが生まれたと小澤さんのお母さんの著書には記されています。当時の運動場がそのままだとすれば、おそらくこのあたりだろうというところには、健康用品店がありました。
この地域は、かつて社宅のような建物が立ち並んでいたそうです。小澤さん一家はそこに住んでいたんですね。
この辺りから暗くなってきたので、傘の下の辺を歩いて遼寧賓館へ帰りました。
伊勢丹を見つけたので、ホテルで食べる夕食をそこで購入。こういうときに食に興味がないことがばれてしまいます。
第1日目は、そんなわけでホテルにて夕食。少し飲みすぎて、9時前には就寝してしまいました。