アンフォラのつぼ

花鳥風月の写真とクラシック音楽(特に小澤征爾)を追いかけています。

東大寺お水取り見学第1夜

ちょうど1年が経ってしまいました。
震災直前に旅行した和歌山、奈良旅行をアップしています。
今回は、きっかり1年前のお水取りについてです。
 
 
2011年3月6日(日)
 
奈良市内のホテルからお水取りのおこなわれる東大寺へ向かったのは16時頃。
始まるのは19時ごろですが、少しでも良い場所を確保したいと、早めに向かいました。
 
お水取りとは、東大寺で行われる『修ニ会(しゅにえ)』と呼ばれる古来からの宗教儀式のことで、宗教儀式としてはひと月近くの間行われるもの
中でも、「お松明」とも呼ばれる、毎年3月上旬に行われている二月堂へと上がる僧侶の足元を照らす松明がお堂を走り抜ける行事が、特に知られているようです。
3月12日には、二月堂の下にある若狭井の水を汲むことから、「お水取り」という通称で呼ばれます。
2011年で1260回目を数え、一度も途切れたことがないということ。
起源についてはいろいろと研究がなされているのでしょうが、私は仏教の行事と言うよりも、より原始的な祭祀と仏教やそのほかの宗教がいつの間にか混合してできたものではないかという印象を持ちました。
 
じっと待つこと(本当はうろうろしていたけど)2時間以上、続々と観衆が集まってきます。急斜面に造られた観覧席は、小雨模様の天気に滑る人が出たりして、なかなか危険。
そのうち薄暗くなってくると、雨がやんできました。
マイクによる放送があり、歴史ある宗教行事であること、静かにおごそかに拍手などをしないようにという注意、そしてカメラのフラッシュは焚かないことというアナウンスがありました。
そして足元と建物を照らしていたライトが消されると、ざわめきがおさまります。
 
二月堂の鐘が鳴らされます。
古都の夜に響き渡る、低い音色の鐘です。
否が応にも期待が高まります。
 
小さな松明が二月堂左手の廊下を行き来します。
その後10本の大松明が1つずつ上がっていき、僧侶をお堂に導き、そして回廊で炎を振りまきます。
大群衆がいるにもかかわらず、澄んだ空気の中の静寂があり、そこを炎だけが動いていく。
たった20分足らずのことなのですが、
火の力ってこんなにすごいんだと、心底感動しました。
古来の「神」、火を操った「人間」、国家安寧、世界平和を祈る炎、いろいろな思いが去来しました。
あんまりにもとりとめがないので、書きませんが、こんなに心が震えたことはこれまでにありません。
 
ということで、写真をどうぞ。
 
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松明が10本お堂に上がると、お堂では声明を唱える声が聞こえてきます。
地元の人たちは、お堂の中でそれをじっと聞きながら祈りにふけっているようです。
私たちは、少しだけ耳を傾けさせていただき、後にしました。
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深夜まで祈り、行は続きます。
 
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ニ月堂から振りかえると、大仏殿の奥の奈良の夜景がきれいでした。
 
大満足の中、暗い道を下り、ホテルへと帰りました。
 
翌日は奈良市内を歩きます。