アンフォラのつぼ

花鳥風月の写真とクラシック音楽(特に小澤征爾)を追いかけています。

北海道の山旅【第2日】 富良野岳

2012年7月14日(土)
 
早朝4時過ぎに起床。
霧の中のようで、外に出てみると肌寒いほど。
とはいえしっかり濡れるほどではないので、雨具の上着だけを装着。
5時30分ごろに登り始める。
 
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凌雲閣前は登山者用の駐車場。
大きな看板のところから登っていく。
 
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登山ポストのところには、火山ガスについての注意が。
2週間ほど前に火口で物質が燃焼する現象が確認されたとのこと。
活火山ならではの、興味深い出来事だ。
 
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初めは緩やかな林道のような道を安政火口に向けて登っていく。
 
安政火口に至るも霧の中で展望は利かない。
ここから樹林帯の登山道に代わっていく。
どちらかと言うと登山路と言うよりはトラバースぎみの緩やかな道。
斜面に刻まれた沢などを越えていく。
花は、ウラジロタデ、マルバシモツケオオバミゾホオズキ、ウコンウツギ、ゴゼンタチバナミツバオウレンなど。
 
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上ホロ分岐。
周遊コースを摂るならここに出てくることになるのだろうが、今回は時間短縮のため、単純往復。
 
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道はしっかり整備されており、こんな階段も。
階段はなかなか辛い。
 
開けたところでは湿性植物、樹林では林床の植物と、途切れることなく花の競演が続く。
斜面がきつくなり稜線に向かうと、今度はトカチフウロが斜面を彩る。
疲れる。疲れるが、楽しい。
撮影のたびにメガネが曇るのと、粋を停めることで起こる呼吸の乱れが辛い。
ここらで見られたのh、オガラバナ、シナノキンバイアオノツガザクラ、エゾツガザクラ、ウズラバハクサンチドリ、ハクサンチドリ、トカチフウロヨツバシオガマ、エゾウサギギク、ハクセンナズナなど。
 
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赤土の稜線に到着。
ここからあと50分ほどで山頂。
稜線付近は高い木もなく、完全なお花畑の道になる。
縦走する人たちはここに荷物をデポして歩いている人もいた。
 
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少しずつ霧が晴れてくる。
左右の草地にはいっぱいお花が咲いている。
 
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チングルマは咲き始めのものから終わったものまで。
その間に小さな花も隠れている。
この稜線には、コマクサ、ホソバイワベンケイチングルマコイワカガミ、エゾツツジ、エゾノハクサンイチゲ、ハクサンチドリ、ウズラバハクサンチドリ、ミヤマアキノキリンソウ、コウメバチソウ、ホソバノキソチドリ、イワヒゲ、エゾヒメクワガタ8、ハイオトギリなど。
 
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山頂部が何とか顔を出し始めた。
御花畑の黄色の花gあ、太陽に輝き始める。
 
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山頂直下、このようにロープで囲われた場所に、北海道の限られた山にしか自生しない貴重な植物エゾルリソウが咲いている。
このルートではここだけでしか見ることができなかった。
花はちょうど見ごろだった。
 
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そして山頂にたどり着く。
ハイマツの尾根が見え、周囲は雲海。
人工物は何一つ見えない、この広大な自然。
圧倒される。
 
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山頂の標識と三角点。
 
ここで涼しい風に吹かれながら遅い朝食。
3時間ちょっとの山登りだった。
 
お昼には下山する予定なので、そのまま来た道を引き返す。
もちろん花をじっくりと観察しながら。
 
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下りついた安政火口では、すっと霧が晴れた。
荒々しく独特な風景が見られて良かった。
 
さて、今回見られた花の中からいくつか。
 
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トカチフウロ。チシマフウロの淡い色をした品種のうようで、北海道の中央高地に分布しているという。
 
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ウズラバハクサンチドリ。葉に斑点のようなウズラの卵のような模様があるのが特徴。きれいな葉のハクサンチドリもあり、どういうすみ分けになっているのか不明。
 
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こちらがお目当てだったエゾルリソウ。あまり多くの場所ではお目にかかれない貴重な花。とはいえ、通り過ぎていく登山者や、初めて聞いたという顔をするグループも。みんながこの花目的ではないようだ。そりゃそうか。
決してきれいと言うわけではないが、独特の色合いと雰囲気がある。
 
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ミヤマオグルマ。北海道の特定の山にしか自生しないキク科の花。最初はフタマタタンポポ科と思ったが、やっぱり見た目が違っていた。
 
大満足の富良野岳。
昼には下山し、ここからは大切山の反対側、直線で32kmのところにある大雪高原山荘へ。
山には道がないため、旭川経由で150kmほどの道のりになる。
スピード違反で捕まらないよう、慎重に進む。
 
層雲峡では雨だったが、トンネルを超えると、一気に夏の青空。
10kmの林道を走りきって、高原山荘へは16:30に到着。
 
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高根ヶ原の雪渓を遠くに望みながら、白濁の湯につかる幸せ。
 
翌日は大雪山、小泉岳に登ります。