アンフォラのつぼ

花鳥風月の写真とクラシック音楽(特に小澤征爾)を追いかけています。

シモツケコウホネ【スイレン科】

シモツケコウホネ(下野河骨)

学名:Nuphar submerusa
水面からの花茎の高さ:5~20cm
 
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2012年7月21日 栃木県日光市
 
コウホネの仲間で、2006年に新種として発表された花。水中から花茎を持ち上げて花を咲かせるのはほかのコウホネと同じだが、水面に浮き葉を付けない。花の中央は橙色で、オゼコウホネほど真っ赤ではない。
 
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2012年7月21日 栃木県日光市
 
この花の話をたまたま聞きつけ、花の見ごろは8月になってからだというが、木の早いものだけでも見たいと日光へ向かった。発見されたのが日光市内で、その後栃木県内だけで数か所で自生が確認されているそうだ。
 
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2012年7月21日 栃木県日光市
 
手つかずの自然と言うわけでもない、田んぼの水路に生えていた。きちんとした情報があったわけではなかったが、ふらふらと探していると、それらしい水路があり、よ~く目を凝らすと、早咲きの数本が目についた。そこからゆっくりと水路を歩くと、時期は早いとはいえ、結構な数を見ることができた。
 
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2012年7月21日 栃木県日光市
 
この昆布のようなものがシモツケコウホネの葉だと教えてもらった。これで光合成するのも大変だ。
 
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2012年7月21日 栃木県日光市
 
水路では、ご夫婦が土手の草刈りや、水中の草取りをしていた。こうした地元の人たちの手によって、貴重な花が守られているようだ。
おばあさんの話によると、平成6年に急にこの花が見つかって、それから大事にしてきたという。ただ、お爺さんに言わせると、もっと前からこの花はあって、昔はそれほど珍重していなかったとのこと。
おそらく、それと思って注目していなかった頃は、そこいらで生えていた雑草だったのだろう。
環境の変化によって、絶滅危惧種にまでなってしまったということだろう。
 
昔からコウホネの仲間がとても好きだったが、この花は、花守りのご夫妻との話も面白く、とても楽しい花旅の思い出とともに、大好きな花のひとつになった。