小澤征爾音楽塾特別公演
今日は小澤征爾音楽塾特別公演と題した、オーケストラ公演に行ってきました。
毎年3月は音楽塾のシーズンです。ここのところは京都から始まって、最終公演を東京文化会館で行っています。
毎年桜の咲いているころなので、上野に行くのが楽しみになっていました。
が、昨年はコロナで中止となり、今年もオペラ公演ができなくなり、今回のオーケストラ公演となりました。
2021年3月23日(火) 19:00開演
東京文化会館@上野
小澤征爾音楽塾オーケストラ
指揮:宮本文昭
ベートーヴェン:エグモント序曲
宮本さんは、今回指揮者を引退しているものの、小澤さんのたっての希望で復帰したようで、懐かしい全身を使ったパワフルな指揮ぶり。
でもそこかしこに「小澤」臭が匂いたっているのは、円熟の証でしょうか。
今回の選曲は、どれも小澤征爾さんのテーマソングのような曲ばかり。
そのため、オザワイズムを叩きこむには最も良い教材であるのは確かでしょう。
でもそこに宮本さんの味付けが加わり、小澤さんよりもより派手な印象の曲に仕上がっていました。特に金管のバランスのとり方が違うなあと思ったり思わなかったり。
エグモント序曲は、曲の構成からしても、本当にザ・クラシックの名曲。
まだ本番は始まったばかりのせいか、やや乗り切れていないところもあったような気がするけど、パワーのある名演。
弦セレは、いかにもサイトウキネンという音と重みと粘り気。
第3楽章は、官女楽章とは言えどもドラマ性が強く、指揮ぶりにも力が入る。その結果、指揮台から足を踏み外して、指揮者が大転倒するというハプニングも。
少しの間起き上がれませんでしたが、曲は続行。コンマスに支えられながら指揮台に復帰して、見事最後まで完走しました。
宮本さん、肩など痛めてないといいのですが。
そういえば、以前奥志賀でのコンサートの時に、この楽章で学生が過呼吸で倒れたことがあるのを思い出しました。
侮るなかれ、緩徐楽章。感情楽章なんですよ。
ベト7は、曲の強さも相まって、興奮のるつぼ。第1楽章から第4楽章までの構成が完璧すぎて、ベト様~と呼びかけたくなる。
最後の疾風怒濤のフィナーレに、「自粛」となっているブラボーがかからない分、大きな拍手と多くのカーテンコールが。
感動のうちに、今年初の生オケが終了しました。
なお、自粛と言われていないのに、楽章間での咳払いが全くなかったのが、驚き。
シーンとして、緊張感あって、なんだ、やればできるじゃんと思った次第。
整備されてきれいになった公園口に向かって、大満足の顔たちが歩いていくのにまぎれて、帰路につきました。