アンフォラのつぼ

花鳥風月の写真とクラシック音楽(特に小澤征爾)を追いかけています。

サイトウキネンオペラ公演

2012年8月26日(日)
 
サイトウキネンフェスティバル松本2012年のオペラ公演は、オネゲルのオラトリオ「火刑台上のジャンヌダルク」。
小澤征爾さんとその先生だったカラヤンの長女イザベラ・カラヤンが、かねてより企画していたというプロダクションが、松本で上演となったそうだ。
今回は小澤さんの指揮活動中止のため、若手指揮者の山田和樹さんが指揮をする。
 
ブエナビスタでの優雅な一夜ののち、ゆっくりと起床。
アルプス交響曲の余韻が残りつつ、窓から眺める町並みと、その奥に見える山並みが、実にすばらしい。
 
美ヶ原か乗鞍高原に行こうかと思っていたが、吹奏楽パレードがあることが分かり、それを見ることにした。
 
イメージ 1
10時からパレードがスタート。
私が初めてサイトウキネンフェスティバルに来たのが、1996年。
その時にもこのパレードを見た。
それ以来だったが、かなり規模が大きくなっているのに驚いた。
スタート地点にいたが、1時間以上をかけすべての団体がスタートして行った。
 
イメージ 2
演奏がとても上手な団体も多く、とても楽しめたが、何と言っても夏の炎天下。
暑さは見る方も演奏する方も大変だ。
演奏者全員にクールスカーフが配られていた。
 
久しぶりにブラスの音を堪能したので、駅を回って車へ。
 
イメージ 3
駅には毎年恒例の横断幕。
 
ただ、目新しいものがひとつ。
 
イメージ 4
こちらが昨年冬に除幕された、「がくと」の時計。
「楽都」を小澤征爾さん、「岳都」を登山家の田部井淳子さん、「学都」を菅谷松本市長が揮毫しています。
 
ここから車で松本市内ドライブ。
毎年来ているので、目新しい場所はないのだが、一通り松本城、開智学校、あがたの森へ。
 
イメージ 5
あがたの森の旧制松本高校に入るのは久しぶり。
暑さの中でも教室が涼しくて、そういえば学生時代に冷房なんてどこにもなかったななんて思い出したりしました。
 
その後公演会場の裏にある深志神社へ。
 
イメージ 6
天神様と呼ばれているそう。朱塗りの美しい神社でした。
 
イメージ 7
そしてまた昼食はおきな堂で。きょうはポークソテー。俟たされて待たされて、1時間後にようやくありつきました。
 
イメージ 8
 
管弦楽サイトウ・キネン・オーケストラ
合掌:SKF松本合唱団、栗友会合唱団、SKF松本児童合唱団
指揮:山田和樹
 
演出:コム・ドゥ・ベルシーズ
ジャンヌ・ダルク:イザベル・カラヤン
修道士ドミニク:エリック・ジェノヴェーズ
語り:クリスチャン・ゴノン
ソプラノ独唱:シモーネ・オズボーン
ソプラノ独唱:藤谷佳奈枝
アルト独唱:ジュリー・ブリアンヌ
テノール独唱:トーマス・ブロンデル
バス独唱:ニコラ・テステ
 
19年前にもこのフェスティバルで演奏された演目。
私はテレビで見ていて、何度もビデオで見直していた作品です。
なのでとても楽しみにしていました。
 
舞台はファウストの劫罰の舞台を思い出させるような、3段に建てられた箱のようなところに、合唱団が陣取ります。
その中央は空いていて、奥行きが見えるようになっています。
その手前には、普段のオーケストラピットよりもかなり張り出して、(これも昔グレの歌をやった時のよう)オーケストラがいて、その中央に張り出すように四角い板の舞台。1本の角柱があり、これが火刑台でしょう。
オーケストラを回り込むように通路が設けられていて、これは前回の演出でもあった気がします。
 
指揮者はオーケストラと一緒にそっと指揮台に座っていて、チューニングが終わると一度暗転し、そのままうっすらとした灯りの中で拍手をせずに曲が始まりました。
いくつかの場面ごとに、まったく違う曲調が展開されます。
オンド・マルトノの音を初めて聞いたのですが、この曲においては、オーケストラと一体化し、とても美しい音の効果をもたらしていると感じました。
この楽器もっと使われてもいいのに、とも思いますが、演奏するのが難しいのでしょうか。
カラフルな衣装の子どもたちの合唱も、とても良かった。
ただ、ただ、なんとなくのめりこむことができなかったという印象ではありました。
 
物語のせいなのか、その宗教性のためなのか、演奏は素晴らしいと思ったし、歌も良かったのですが、それ自体がさらりとしてしまっていたからなのか。
こういう感想は書くのが難しいです。
特に一日前のアルプス交響曲の劇的な音楽を聴いた後だったというのも、影響があるかもしれません。
これについては主観的なものなので、他の皆さんの感想も是非読みたいところだと思います。
 
とはいいつつも、とても満足したSKF2日間を過ごしました。
 
あとは来週9/9の20周年スペシャルコンサート!
こちらもピーター・ゼルキンが登場することもあり、楽しみです。