お水送りと北近畿の旅②
2017年3月2日(木)のお水送りの続きです。
若狭神宮寺の境内で始まりを待っていると、残念ながら雨が降り出してしましました。
ちょうど1張のテントがあったので、その下に避難。
雷まで鳴りだし、冬の嵐の様相です。
それでもあたりが暗くなってくると、人々が集まってきました。
ここから、神宮寺で行われる修二会の行法、そして松明行列、鵜の瀬の送水神事と、お水送りのクライマックスを迎えます。
薄暗くなってきた神宮寺の提灯に明かりがともります。
18時になるとほら貝の音が聞こえてきます。
おそらく寺の坊からと思いますが、装束に身を包んだ修二会の参加者たちが本堂へと向かいます。
あまり見かけない頭巾のようなものをかぶった姿です。
そして扉が閉じられ修二会の行法が始まります。
ここでは面白いことに中の音がスピーカーから流れます。
スピーカーの近くだったので、なかなかの大音量。
ドタバタしたような音が興味をそそります。
提灯が消されると、ドタバタした音の後、中から大きなたいまつにともされた炎が上がり、軒へと出てきます。
奈良の東大寺のお松明ににた雰囲気です。
本堂の前を端から端へ一度だけ松明が動きます。
角では火の粉をまき散らします。
雨の中の撮影だったので、レンズに水玉が・・・残念。
その後中央から境内へと降りたところで、松明は地面に打ち付けられて消されました。
これもどういう意味があるのでしょうか。
その後境内の大きな護摩壇に火がともされ、松明行列へと流れますが、
それの準備のための暗闇の時間が続きます。
その間に、松明を持つ妻娘と別れ、大松明の前に出られるよう場所を移動し、境内を後にしました。
境内を降りたところで待っていると、巨大な火柱が上がるのが見えました。
火祭りはこれが醍醐味ですね。
この行事は、ほら貝がなるといろいろなことが始まります。
松明行列の先頭をほら貝が先導します。
幻想的な松明行列です。
その後ろから大たいまつが多くの人たちの手で運ばれてきました。
これらの松明行列は、大たいまつ、中たいまつと続き、一般の方の松明も合わせて1500名前後、
光の帯になって2kmの道を歩いていきます。
鵜の瀬の護摩壇の付近には、松明を手にした人たちだけが入ることができるようになっていました。
私の分も持って歩いてくれた家族から1本もらって、神域の中へ。
うまいこと護摩壇を区切る柵の一角に場所を取ることができました。
鵜の瀬は雪解け水で激流となっています。
そこを松明が照らしていました。
神主が幣束を持っているところを山伏が般若心経を読むという神仏の融合した古を感じさせる雰囲気。
その後、遠敷川に付けられた橋を、行者が渡っていきます。
送水神事の始まりです。
良いところが近づいたところで、松明の煙が私たちを襲ってきました。
朦々とした中で、目からは涙が出てきます。
でも見逃してはなるまいと、200㎜レンズを連射しまくりました。
涙と煙で、目ではあまり見えませんでしたが、レンズでは、神事の一部をとらえることができました。
近くの報道陣のストロボのおかげです・・・。
送水文を読んでいるところです。
送水文を川へと落とす瞬間です。
もちろん目では見えていませんでした・・・
クライマックスの御香水を鵜の瀬清流に注ぎ込んでいる瞬間です。
ほら貝が鳴り響いていました。
これで鵜の瀬に注がれた水は、地下へと吸い込まれて、10日後に奈良の東大寺若狭井へと届きます。
送水神事が終わり、行者たちが橋を渡りこちら側へと戻ってきます。
そしていにしえの香り漂うお水送りが終わります。
お水送りの終わった鵜の瀬です。
ちょうど松明行列のころから雨がやみ、送水神事までなんとか天気が持ちました。
その後シャトルバスへと戻る道筋で、いきなり雨が降り出し、結構な降りとなりました。
なんという幸運。
なんとか車に戻り、22時直前、夕飯を調達して、小浜の海沿いのホテルへとたどり着きました。
東京からの移動含め、ずいぶん長い日でしたが、素晴らしい日本の祭事を体感でき、大満足でした!