遠雷の中のカヤラン観察
私の敬愛する小澤征爾さんの師匠である、20世紀の大指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤン。
ではなく、「カヤラン」です。
古木などにしっかりと根を張り、針葉樹のカヤに似た葉をつけ、美しい花を咲かせるランの仲間。
これを以前から探していましたが、なかなか高い気の上にぶら下がっているものしか見ることができず、欲求不満だったのですが、植物写真家のAさんから情報をいただいて、目の前で見ることができました。
東京都西部にある昭和初期の古民家近くの梅の古木に、ひっそりと花をつけていました。
2012年5月4日 東京都
どうやってこのようなところに最初にくっついたのか、そして養分や水を得ているのか。こんなにきれいな花を咲かせるのか。いろいろな疑問がわいてくるかわいらしくけなげな花です。
2012年5月4日 東京都
別の株を見ると、根がしっかりと枝についているだけでなく、はうようにたくさん伸びているのが見えました。雨水などをこういうところから取りこんでいるのでしょうか。
遠雷を聞きながらの撮影だったのですが、これから降る雨がカヤランにとっては大事なんだろうと考えたりました。案の定、撮影を終えて民家のおばあさんと話をしていたら、急な雷雨に見舞われました・・・。タイミングがそういう意味でもばっちりでした。
2012年5月4日 東京都
とうとう目の前でお花を見ることができました。この株はちょうど目の高さに咲いていました。直径1cmほど、この画面より一回り小さいサイズです。きちんとランの花の形で、薄い黄色がとても上品です。
手の届く範囲のものは取られてしまうことが多いようで、こういう目線での対面はなかなかできません。
いつまでもここで元気に育っていってほしいと願うばかりです。