アンフォラのつぼ

花鳥風月の写真とクラシック音楽(特に小澤征爾)を追いかけています。

群馬で静かに花めぐり

2021年5月3日(月・祝)

 

緊急事態宣言だのと言っている中ではありますが、大型連休に体をぐたっとしているわけにもいかず、原則として現地の方と接触を極力避ける日帰り山歩きを敢行しました。

行先は谷川岳一の倉沢です。

昨年も歩いたばかりですが、新緑と植物、絶景を楽しむことができるようなので、行ってみました。本来は通行止めの期間中であり、自己責任での行動となります。落石や雪崩の危険性のある沢筋などは、特に注意を払いながら、歩いてきました。

 

早朝家を出発。朝食を現地で調達しないように、おにぎりを作っていきました。

9時過ぎには、谷川岳ベースプラザへ到着。

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谷川岳ベースプラザ

ハイキングや観光の人たちが、それほど多くはありませんが、来ていました。でもどこもガラガラと言っていい感じです。

まだ前日からの風が残っていて、かなり肌寒い空気でした。

ロープウェイは強風の中動いていましたが、その後上りの乗車は止められたようです。

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国道の通行止め標識

登山指導センターのところで通行止めとなっています。引き返してくる方もいらっしゃいましたが、先へ進む方もそれなりに。

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新緑の清水国道

ブナの新緑がきれいな道です。

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スミレサイシン

道端にまず咲いていたのは、スミレサイシン。高尾で見るナガバノスミレサイシンの日本海型です。

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オオイワウチワ

早速山肌にイワウチワが群れていました。イワウチワは、この頃はイワウチワ、コイワウチワ、オオイワウチワと分類がされているそうで、おそらくこれはオオイワウチワです。しっかりと大きな葉と、5cm近い大きな花が咲いています。

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オオイワウチワ

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オオイワウチワ

上の方にはもっとたくさん咲いています。すごい量です。

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アズマシャクナゲ

ツツジの花びらが道端の落ちていたので上を見てみると、はるか上にシャクナゲの大木が花を咲かせていました。

道沿いには1本もないのに、上の方には何本も咲いていました。望遠でようやくその姿がとらえられました。

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ブナの新緑

輝くような緑の中の道ですが、時折強風が吹くので気を抜けません。

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マチガ沢

まずはマチガ沢に着きました。時折青空がのぞきますが、谷を下る風が強く吹いていました。雪と岩の絶壁が、谷川岳の山頂まで続いています。圧倒される山岳風景です。

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清水国道

マチガ沢を後にして、一の倉沢に向かいます。

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ブナの実

ブナにはたくさんの実がなっていました。これは熊さんの好物です。

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ショウジョウバカマ

ショウジョウバカマもどんどんと増えてきます。イワウチワと混ざって咲いているところもありました。

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一の倉沢

一の倉沢に近づくと、一段と強い強風が吹いていました。谷にぎっしりと雪が埋まっています。圧倒的な風景です。

 

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一の倉沢

沢を横切るところは、雪の大谷になっていました。5mほどはあるすごい雪です。ここが最終目的地で、雪の上で少し遊ぼうかと思っていましたが、なんとここでいきなり雨が降り出しました。山の天気は変わりやすいものです。

仕方なく、早々に戻ることにしました。

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新緑

戻り始めるとまた雨がやみました。もしかしたら、一の倉沢でだけ雨が降っていたのかもしれません。

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イワウチワ

帰り道も花を観察しながら戻ります。雨はやみ、また日が差してきました。

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イワナ

イワナシは1株だけ気づきました。

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エンレイソウ

エンレイソウは咲き始め。しっかり葉が開いた状態のものはまだありませんでした。

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ミクニサイシン

自分では全く気づかなかったのですが、花目の利く娘がこの花を発見しました。ウスバサイシンかと思いましたが、このエリアのミクニサイシンという種類のようです。

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キクザキイチゲ

うっすらと青みがかったキクザキイチゲ

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スミレサイシン

スミレサイシンのきれいな株にも出会いました。

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シダ

若々しいシダの芽吹きです。

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新緑と雪山

往復2時間30分でベースプラザに戻ってきました。手ごろなハイキングでした。

 

まだお昼なので、次の場所へ移動です。

せっかくなので、土合駅のもぐらトンネルだけちらっと娘に見せたところ、下に降りたいと言い出しましたが、なんとか思いとどまらせました。

土合駅や隣のドライブインは、結構な人出でちょっと意外でした。

スーパーで昼食になるものを買って、玉原高原までの移動の車中で食事をとります。

目的地は玉原高原の十二沢のミズバショウです。

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十二沢のミズバショウ自生地

ちょっとわかりにくいところですが、小さな看板が道路沿いに出ています。特に駐車場はありませんが、まだ冬季閉鎖中の道なので、路肩に停めて木道へ。すぐに自生地に着きました。

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ミズバショウ

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ミズバショウ

この寒さで少し霜に当たったのか、傷んでいるものも多かったですが、おおむね見ごろでした。

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ミズバショウ

誰もいないところでゆっくり写真を撮っていましたが、その後数組見学に来る人がいました。

まだもう少し時間があるので、玉原湿原のミズバショウも見てみることに。

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ぶなのわき水

玉原高原センターハウスから少し歩くと、ぶなのわき水があります。娘はわき水好きなので、行きも帰りも味わっていました。

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玉原湿原

ここに来る手前の自然観察センター近くで小雨が降ったので、ちょっと立ち寄りました。とても面白い植物や菌の話をしていただきました。

その際、この数年玉原湿原のミズバショウは、シカに葉を食べられてしまって、全く大きくなれないという話を聞きました。

さて、どんなものかと思って見に行ってみると・・・

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ミズバショウ

なるほど、ミニミニミズバショウです。これではちょっと見ごたえがないですね。

いろいろと対策はしているようですが、なかなか難しいようです。

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玉原湿原

今回は時間も時間なので、ミズバショウだけ確認して駐車場へ戻りました。

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強清水の滝

帰りがけに玉原高原にあった強清水の滝を見学して(道路わきですが)、帰路につきました。

いつもの昭和村で野菜調達も忘れずに。さすがに遅い時間だったので、あまりありませんでしたが・・・。